脳磁図計測の歴史
Hans Berger
- 1875年リバプールの生理学者Richard Catonが大脳皮質から自発電気活動を初めて記録
- 1912年ロシアのNeminskyがEinthovenの検流計を用いて、イヌの皮質および頭蓋骨から電位を記録
- 1929年ドイツの精神科医Hans Berger(写真)がヒトの頭皮上から初めて脳波を記録
- 1932年Hans Bergerがヒトの皮質電位(electrocorticogram)を初めて記録
→1938年までにElektrenkephalogramの概念を確立 - 1932年イギリスのAndrewとSheringtonがニューロンの活動に関する研究でノーベル賞を受賞
- 1934年AndrewとMatthewsがヒトの頭皮上脳波を記録
Matthewsがpush-pull増殖器を開発
米国のJasperとDavisがヒトの脳波を確認 - 1936年イギリスのWalterが脳腫瘍における焦点性徐波およびδ(デルタ)波を記載
- 1939年GibbsとGrassにより周波数分析装置を開発
- 1963年米国のBauleとMcFeeが心磁図の計測に成功
- 1967年MITのD.Cohenが、SQUID磁束計を用いて磁気シールドルーム内で人体各部からの微弱な磁界計測を世界で最初に行う。
- 1972年RosenやZimmermanらにより1次微分型グラディオメーターが開発される。
- 1980年代国内でもSHE社製(後のBTi社、4DNeuroimaging社)1ch~7chのSQUID磁束計を用いて、心磁図、脳磁図の計測、研究が複数の施設で行われる。
- 1984年8ch心磁図での臨床応用が始まる。
- 1990年代BTi社から37ch脳磁計が登場。国内でも導入される。
さらにホールヘッド型脳磁計が登場し、BTi社製148ch、CTF社製64ch、Neuromag社製(後のElekta社)122ch等の導入が進む。 - 2000年「高度脳磁場計測装置の開発」を目的とした、超伝導センサー研究所設立。5年間の研究期間で、ホールヘッド型256ch脳磁計を開発し脳機能解明の研究を行った。
- 2000年以降BTi社製148ch、Elekta社製306ch、横河電機製160chなど各社の多チャンネル化が進む。
てんかん棘波の同定、術前マッピング、一次感覚野の機能解析等に幅広く使用されている。 - 2004年神経磁気診断として、術前の診断に対して保険が適応される。(5000点)
- 2012年保険適応が拡大される。名称も脳磁図と変更となり、術前にかかわらず感覚、運動障害の鑑別診断も適応となる。
※柳澤信夫、柴崎浩著「臨床神経生理学」(医学書院)より一部引用